【メンズ美容×ビジネス】お前ら遂にメンズコスメの波が来るぞ〜市場規模から見た「男性用化粧品」の在り方〜

よく聞け、男性用化粧品の市場規模は「サブスク音楽業界」と同じだぞ。

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最近よく聞くようになった「メンズコスメ」。「試したいの俺だけかも」「手に取る勇気が出ない」という男性諸君。安心したまえ。

日本におけるいわゆる「メンズコスメ」の市場規模は2017年で1000億円を超え、同程度のマーケットで言えば自転車業界有料音楽配信業界があり、今後年間5%以上の成長が見込まれることを踏まえると、2020年代には2000億円を超える大きなマーケットとなる可能性があるのだ。


特に2000年代に入ってから10年間で市場規模は2倍近くとなり、社会情勢を見るに今後の市場拡大も非常に期待できる。


富士経済のマーケットリサーチによると、2018年のメンズコスメマーケット全体の売上は1175億円。10年前の08年に比べると約22%も増えた見込みです。“けん引役はフェイスケアとボディーケア製品で、10年前に比べ売り上げがそれぞれ1.5倍、3.5倍に増えそうです。今後も好調を維持し、20年には全体で1191億円まで増えると予測しています。” (富士経済 同調査)


国内の化粧品業界全体の規模が1兆7000億円程度であるから、市場全体の6〜7%をメンズコスメが占めるという計算である。マジ?

▼「メンズコスメ」は何を指すのか

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「メンズコスメ」の大部分はこれまで、ヘアスタイル制汗剤などの臭いの問題に関する需要が大きかった。


スキンケア習慣の浸透が進んだ2018年頃からは、フェイスケア製品も注目を集めている。中でも、1アイテムでお手入れ完了のオールインワン商品の市場が拡大している。


朝の出勤前、時間をかけず手軽にスキンケアができることが重要である。もともとメイクのための時間を見越して起床時間を決めていた女性と、スキンケアに時間をとることに慣れていない男性との需要の差である。


同じような理由で、下地とファンデーションが一つになったBBクリームの需要が拡大を支えていることは間違いない。


“2017年はメンズスカルプケアが通販ルートを中心に伸長し、メンズスタイリング剤においてもヘアスタイルのトレンドの変化を受け市場が伸長した。また、男性全般のケア意識の高まりを背景に前年に引き続きメンズシャンプー・リンスやメンズフェイスケア、メンズボディケアが伸長したことで市場は拡大した。

2018年は夏季商材や体臭ケア訴求のアイテムが好調である。また、男性のスキンケア習慣の浸透が進んでおり、日焼け・シミ対策などUVケアの需要が増加していることから市場は前年に引き続き拡大が見込まれる。”

※富士経済研究所 国内化粧品市場調査(2)  より引用

男性の身だしなみ対策商品におけるマーケットを予測するものとして、リクルートライフスタイルは2015年に下記のような言葉を作っている。

「サバ美ーマン」

”30代後半~40代前半、ミドルエイジと言われるサラリーマンの身だしなみやケア 意識があがってきている。 臭い・体型・肌質の変化など、加齢が「自分ゴト」化する世代であると共に、周囲には、美容を当たり前に嗜む若手の「綺麗男(きれお)」世代、厳しいチェックの目を持つ女性も増加し、職場における「必・身だしなみ時代」が到来。 彼らにとっての「身だしなみ」=美活は、マイナスをゼロにし、周囲とうまくやっていくために必要な「ビジネススキル」 とも言える。周囲の多様な目を意識し、 職場で生き抜く(サバイバル)ために美活を行うサラリーマン=「サバ美ーマン」 がこれから、ますます増えていく。 ”

※リクルート 2015年トレンド予測

また同調査にて男性の美容への関心を年代別に調査した結果が下記である。

男性全体で外見をよくすることに関心があるのは6割ほど。2017年の調査であるため2020年現在はさらに関心がある人の割合が増えていることが予想される。

出典:リクルートライフスタイル 2017年下期調査

▼世界におけるメンズコスメマーケット

男性用化粧品の最大市場はフランスやイギリスも含む西ヨーロッパ、2015年時点で124億ドル(1兆2400億円)規模の市場である。これは前述した日本の化粧品マーケットのうち女性用化粧品が占める割合にほぼ近い大きさである。


国別にみると、2018年には世界のスキンケア製品の37%が英国で発売され、次に米国で25%、フランスが15%と続く。経済規模に比較してヨーロッパの割合が大きいのは世界的化粧品メーカーがヨーロッパに集中しているためだと予想できる。


“現在では、男性のメイクを「恥」とする傾向はほとんどみられなくなった。MMUKは350万ポンドから500万ポンド(約4億8,700万円から7億円)を見込んでおり、15の新分野にも進出している。また同社の製品は、イギリスのオンラインショップ、エイソス(ASOS)でも販売されている。 ”( https://www.vogue.co.jp/beauty/worldbeauty/2019-01-21/mens-beauty/cnihub


次いでラテンアメリカ・北米と続くが特にアジア太平洋地域に目を向けた時、マーケットの年平均成長率は8.1%と急激に拡大している。北米は世界人口の5%と人口自体は多くないがアメリカという世界最大の消費国かつ流行の発信地が今後のマーケット動向に大きな影響力を発揮してくることは間違いない。


中国やインドネシア、もちろん日本など世界人口に占める割合が非常に大きいこの地域(この地域に分類される国で6割強を占める)がこのペースでの成長を続けると、2015年の78億ドルから2020年にはほぼ倍増の115億ドルに拡大し、西ヨーロッパと同規模のマーケットが誕生することとなる。


東アジアは男性のスキンケア製品業界の企業にとって有利な投資のポケットになる可能性を十分に秘めている。日本と韓国がそのメインプレーヤーである。

J-ビューティーとK-ビューティーの化粧品トレンドは西欧諸国で急増しており、 オーガニック製品へのさらなる高い需要は、世界の男性用スキンケア製品市場の成長を補完する重要な属性の1つになる。


つまり、今後世界中のすべての地域で発展の可能性とその兆しがはっきりと見え始めているマーケットであるといえ、先行するヨーロッパからどのような商品が発表され、アメリカや中国などの経済大国の消費がどのように成長していくのか、大きな期待を寄せることができる。


最新データを追うごとに男性用化粧品のマーケットが拡大していることがわかる。

以下は最新の世界の男性用化粧品マーケット規模である。

“年々拡大する世界の男性用化粧品市場は、日本のみならず世界でもめざましい発展をとげ、2017年には総売上げ577億ドル(約6兆3470億円)に到達。2017年から2023年の年平均成長率は5.3%と予測され、2023年には786億ドル(約8兆6460億円)にのぼるとみられている。”

▼男性用化粧品マーケット拡大の理由

理由として1つ目に挙げられるのは女性の社会進出と活躍と相まって、主に職場で容姿や清潔感を気にする男性が急増していることだ。

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職場に女性が増え始め、男性だから、男だからという理由で臭いや清潔感をおろそかにすることができなくなってきたことが2015年からすでに始まっていたことがわかる。


ご存じのように2020年現在は男性や女性というくくり自体がナンセンスなものとなると同時に職場や公の場では周囲が嫌なを思いをすることのないように心がけることはビジネスシーンにおいても商談以前の問題として扱われるくらいに重要視されている。

またここ最近になって「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉も登場し、男性も匂いで不快感を与えないことやTPOに応じた臭い(香水を付けすぎることもスメハラになる)のコントロールが求められているといえる。

2018年にイギリスで行われた調査では59%の男性が「容姿は重要である」と答えている。

日本においても上記リクルートの調査にわかるように同様の傾向は顕著である。

2つ目はアジア経済の伸長である。

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中国や韓国など美容に関心の高いアジアの国々が経済的に発展し、女性向け化粧品とともに男性用化粧品市場を急激に拡大させている。


前述したように、アジア太平洋地域は世界の人口の半数以上を占める。男性の数と女性の数は基本的に同じなので、化粧品マーケット全体が伸長すれば男性向け化粧品のマーケット規模も拡大していく。


特に世界最大の人口を抱える中国が急速な経済発展によりあらゆるマーケットが急拡大していることは男性用の化粧品マーケットの拡大に大きく寄与しているといえるだろう。

“中国の化粧品市場は2011年の1,103億元(約1兆7,600億円)から、2016年には2,222億元(約3兆5,500億円)とほぼ2倍の伸びを見せている。なかでも男性化粧品は、毎年2倍の割合で拡大している。(中略) 実際、ロレアルとTmallの共同レポートによれば、Tmallでパーソナルケア製品を購入する男性の数は2017年から47%増となっており、女性の伸び率31%増を上回っている。 ”(beauty tech.jp)


さらにはECサイトで気軽に注文できることになったことや、youtubeなどで化粧品やコスメに関する情報を男性が入手できる機会が増えたことも拡大の大部分を占めていると言える。

まとめ
「メンズコスメ」には3つの段階があると考える。

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1.既存のヘアケアやスキンケアといった、社会に求められる清潔感を出すための商品


2.下地やファンデーション、補正マスカラなど「美しい姿」に対しての欠点や気になる点を補完する商品

3.アイライナーや色付きのリップなど、自分を変えたり今の姿よりも美しくアドオンするという商品


現在日本を含めた世界の潮流はほとんどが1の段階で徐々に1→2が広がり始めたという状況だと考えている。

しかし、女性用化粧品のうちいわゆる「メイク」といった場合には2や3の段階こそが主軸であり、マーケットも多種多様かつ巨大である。

今後「メンズメイク」において段階が進むほどにマーケットは大きくなり、多様化し様々なプレイヤーが参入することでさらに大きくなるという拡大期が訪れることはほぼ間違いない。

性差の縮小化、アジアの経済発展、ECの拡大などあらゆる事象がメンズメイクの市場拡大に寄与しており、今後に非常に期待が持てる。

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