マネジメントの仕事はチームやグループの目標を達成することである。
目標の達成のためには、あらゆる複雑な要素が絡んでおり、メンバーのそれぞれについても悩んでいる箇所や弱点は異なる。
そしておおよそ全ての仕事というのはそれほど単純ではなくて、改善する必要がある箇所もあればそのまま継続しなければならない箇所があり、我慢しなければならない項目もあれば、注力する仕事もある。
このとき往々にして生じる失敗が、全ての仕事をまんべんなく完璧にこなそうとして、結局何に注力すればいいのかが分からなくなってしまい、あらゆる行動全てが中途半端になってしまう。
すると、毎日の業務はしっかりこなしており、仕事はやっているように見えるのだがなぜか数字が上がらず、期末が近づいてきて焦って業務量を増やすも結果未達成で終わることが多い。
実はかなり多くのメンバーがこの状態になっているのではないだろうか。
頑張っているのに数字が伸びない、メンバーにとってもきついし、マネジメントや会社にとっても厳しい状況だ。
この状況のときに「もっと頑張れ、行動量を増やそう」という話をしてもどんどん仕事がきつくなっていくだけで数字の達成にはなかなか近づかない。
何が問題なのか、書き出してみる。
・目標から逆算した中間指標の設定ができていない
・中間指標の達成スキルが身に付いていない
・達成に向けたシナリオが描けていない
・達成シナリオにおける自らの(チームの)ボトルネックを把握していない
恐らく以上の4つにまとめることができるだろう。
・目標から逆算した中間指標の設定ができていない
→いわゆるKPIの設定など、財務目標を達成するために必要な行動量とその二つの中間の指標を設定できていないので、どれほどの行動量で達成出来るかが見えない状態
・中間指標の達成スキルが身に付いていない
→中間指標を設定したとしても、その指標に到達出来る率があまりにも低い場合、行動量が跳ね上がってしまい、物理的に追いつかない。
多くの仕事は行動→財務目標とはならず、アポイントの取得や来客数など、中間となる指標があり、行動をそのタームに引き上げるには一定のスキルがあることが多い。このスキルを身につけないと行動が結果に結びつかない。
・達成に向けたシナリオが描けていない
→上記のように、目標の数字に対して普通は、最も基本的な行動があり、それらの内の一定数が次のステップに進みということを数ステップ踏んでから売り上げにつながる。
例えば、鉄を何キログラム溶かす→何個かの鉄の固まりができる→鉄の固まりから鉄の棒を作る→鉄の棒を短く切り出す→短くなった鉄の棒をネジにする→ネジを売る
(製造業の者でないので、非常に稚拙であることを勘弁いただきたい)といったように鉄を溶かすというフェイズから売れるフェイズまでいくつかの段階がある。
それを、目標から逆算して、
◆何日までに何円の売り上げが必要
↓
◆何円の売り上げのために何本のネジを売る
↓
◆売れるネジを作るために何本の短い鉄の棒を、何日までに作る必要がある
(中略)
↓
◆何日までに何キログラムの鉄を溶かす
といったように、必要な売り上げ目標から逆算して最初の行動フェイズの量を決定して遂行する必要がある。
・達成シナリオにおける自らの(チームの)ボトルネックを把握していない
→上記の達成シナリオを遂行していくにあたり、順調に売り上げが伸びないのであれば、どこかしらのフェイズで滞っているということである。
行動しているのに売り上げが伸びないというとき、行動量ではない箇所にボトルネックがあるのならば、その箇所に手を打たない限り、ボトルネック以降の指標が伸びず、結果売り上げが伸びない。
そのため、各フェイズにおいてモニタリングをすることによって想定や標準の率よりも低いということであればその点を改善しなければならない。
「一生懸命働いているのに売り上げが伸びない」
こんなに悲しくて辛くて、もったいないことはない。
おおよそ多くの仕事は正しく努力すれば、その行動量に比例して売り上げが伸びる。
せっかく頑張って仕事をしているのであればその努力は報われるようにしなければならない。
マネジメントに求められているのは、正しい努力を正しい結果に結びつける、正しく水を流す仕事である。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。